テレワーク とある管理職シリーズ

緊急特集!テレワークで使えるコミュニケーション術 by とある管理職

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こんにちは! とある管理職です。

僕の「とある管理職が体験した超実践ビジネススキル」シリーズでは、とあるグローバル企業での国内外マネジメント経験と知識をもとにビジネスに携わる方が実践できるマネジメントスキルについてお届けしていますが、今年に入ってから全世界に蔓延したコロナウィルスの影響で社会生活が少なからず制限を受けています。

2020年はオリンピックイヤーということで、国内の多くの企業がオフピーク通勤の推奨やテレ(リモート)ワーク(在宅勤務)の準備をして来ていたところ、コロナウィルスの影響で数か月前倒しになってしまった準備不足もあり、実施率約5.6%といわれています。

「コミュニケーションが取りにくい」「部下の評価がしにくい」という声も上がっています。

日本では、約7割が中小企業でインフラが整備できていないケースも多いようですが、また仕事のスタイルで印刷物や押印が必須という職種やサービス業では難しいというのがありますね。でもこんな状況ですから、日本の社会構造、業務構造、事業構造を変えていく必要がありますね。日本の政府による支援も必要だと思います(もちろん、リモートワークが成立しえない業務もあります)。

今回は緊急特集として、テレワークでのコミュニケーションにお悩みの皆さんの参考になればという思いで「テレワークで使えるコミュニケーション術」と題してお届けします。

1. テレワークと課題について

テレワークについて、不安に思われているポイント、お悩みのポイントについて解説してゆきたいと思います。

1-1. テレワークとは?

テレワークについては、一般社団法人日本テレワーク協会さんのページでは次のように紹介しています。

テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。

※「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語

テレワークは働く場所によって、自宅利用型テレワーク(在宅勤務)、モバイルワーク、施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務など)の3つ分けられます。

在宅勤務
自宅にいて、会社とはパソコンとインターネット、電話、ファクスで連絡をとる働き方。

モバイルワーク
顧客先や移動中に、パソコンや携帯電話を使う働き方。

サテライトオフィス勤務
勤務先以外のオフィススペースでパソコンなどを利用した働き方。一社専用で社内LANがつながるスポットオフィス、専用サテライト、数社の共同サテライト、レンタルオフィスなどの施設が利用され、都市企業は郊外にサテライトを、地方企業は都心部にサテライトを置く。

テレワークが適しているのは以下のような人たちです。

妊娠・育児・介護などの理由、身体障害、あるいはケガなどにより、恒常的または一時的に通勤が困難な人:
常時在宅勤務主体(ほぼ毎日在宅勤務)
企画・総務・人事・経理などの管理部門、研究・開発部門の人:
部分在宅勤務主体(週に数日在宅勤務)、出張時のモバイルワークも適する。
営業やSE、サポートサービスなどの顧客対応業務の人:
モバイルワークが主体、部分在宅勤務も適する。

出典:一般社団法人日本テレワーク協会

テレワークには、いろいろなケースがありますが、テレワークを導入できる環境にあり、まさにこれからテレワークを始める、または始めたばかりという方のお悩みについてポイントを絞って解説します。

1-2. テレワークではどんなことが心配か?

・上司との、部下との、同僚とのコミュニケーションが取りにくい
・業務評価ができない、難しい
・業務上、紙・印鑑などが取り扱えない

そのほか、「テレワークに必要なWiFiがない」や「大型のディスプレイがない」など、会社からテレワークを命じられたものの家で仕事をするための環境が無いという声もあります。

次章では、テレワークの導入事例からお悩み解決のヒントをご紹介いたします。

2.テレワークでのコミュニケーションとはどのようなものでしょうか?

テレワークで最も多い悩みは「コミュニケーションが取りにくい」というものです。
それでは、テレワークでは、どのようにコミュニケーションを図れば良いのでしょうか?
下記の事例をもとに考えてみたいと思います。

2-1. オフィス勤務でのコミュニケーションから考えてみる

テレワークというと、何だか難しそうで、同僚や上司、部下とも面と向かって話せない。
なんだか、分厚い洋服の上から背中を書いているような実感が薄くはがゆい感覚を覚える人は少なくないことでしょう。

「テレワーク」という日頃馴染みが薄い用語が独り歩きしていることも影響しているのかもしれません。
そこで、まずは通常のオフィスワークでテレワークに似た状況を探してみて、どのようなコミュニケーションをとっているのか振り返ってみましょう。

席が離れている同僚に至急聞きたいことがあったら?

あなたならどうしますか?

1.ダッシュして直接話しに行く
2.電子メールで「至急案件」と書いて相談する
3.社内チャットなどで「緊急事態。助けて!」と語りかける

「ダッシュして直接話しに行く」と。。。
・席にいない
・別の要件で立て込んでいる
・「それ、僕じゃなくてA君だよ」と言われたらまた移動するの?

電子メールで「至急案件」と書いて相談すると。。。
・電子メールに気づかない
・忙しくて見て見ぬふり
・忙しくて返事が書けない

社内チャットで語り掛けると。。。
・無視されることもある
・忙しいけどとりあえず「なに?」と答えてくれる
・「緊急事態。助けて」と言われたら応対しないわけにいかない

どうでしょう。まったく上記の通りではなくても社内チャットが一番合理的なコミュニケーション手段ではないでしょうか?

拠点が離れている同僚に至急聞きたいことがあったら?

あなたならどうしますか?

1.電子メールで「至急案件」と書いて相談する
2.社内チャットなどで「緊急事態。助けて!」と語りかける

このケースも社内チャットが良さそうな気がします。
電子メールで詳しく説明しておいて、チャットするというのもアリですね。
「緊急事態。助けて!」
「なに?」
「さっき電子メールで詳しく書いているんだけど・・・顧客のXX商事のAさんからクレームが入って・・・」
「そうなんだ。あのお客さん、いつもそうだよ。でも、xxxxすれば大丈夫」
「あ、そうなんだ。ありがとう。すぐに対応してみるね。助かった~!」

いかがでしょう。オフィスで勤務していてもすぐに会って話せるとは限りませんね。
テレワークという環境では、通常のオフィス勤務で取りうるコミュニケーション手段のうち、「直接会う」ができないだけで、仕事の目的を果たすうえで必要なコミュニケーションは問題なくとれるということなのです。

だから、テレワークだからコミュニケーションが取れない、取りにくいというのはそれほどあたらないともいえます。
ただ、そこに家のWiFi環境やヘッドセット、大型のモニターなどインフラの要因なども加味されて不自由に感じることがあるのではないでしょうか?

2-2. テレワークのコミュニケーションを考えてみる

素朴な疑問:テレビでよく紹介しているテレワークですが、なんで全員がビデオに映らないといけないのでしょうか?

あのシーンは、いわゆる会議、朝礼、終礼的なモノなのかなと思います。
通常の業務を在宅で行う際に、ビデオを写す必要はありませんね。

仕事中に画面に映っているのは処理しているエクセルやワードなどのデータですよね。
もちろん、チームメンバーの表情が見えるのは安心するかもしれませんが、各自の家庭でのインターネット環境が異なる場合、無理にビデオを使わなくても何ら支障はありません。

なにか、勘違いというのか、理想のテレワーク像に踊らされているように感じます。
ただし、対面しないとサービスが提供できないような教育、指導、医療などは別となります。

僕の実例で実際のテレワークの様子を少しお話します。

では、テレワークを始めましょう。
1. PCをON
2. VPNというセキュリティの仕組み(USB Tokenなどを使うことが多い)で会社のシステムに接続
3. 電子メールを起動
4. WEBブラウザや共有サイトをOpen
5. Skype(for Business)など会社で採用しているコミュニケーションツールをOpen
6. IT電話アプリを起動(USBヘッドセットはPCに接続済み)
7. メール、ブラウザ、クラウド、ローカルで業務を遂行
ただ単に自宅で仕事をするだけならこれだけです。

さて、仕事を進めるうえで交渉や調整が必要になりました。
1. 交渉や調整に必要な情報を準備する
共有サーバーにデータを置くか、電子メールなどに添付して送る
2. 業務効率を考えるとSkypeなどのコミュニケーションツールで語り掛けます
3. 必要に応じてPCのIT電話で話しながら交渉や調整を進める
それだけで何の問題もなく業務は進んで行きます。

チームミーティングが始まります。
会社が用意しているミーティングアプリを開きます。
僕はSkype MeetingやCisco Webexを使用しています。
いずれのシステムでもチームミーティングはビデオは使用しません。

プレゼンテーションを行う人が画面を共有します。
基本的なルールですが、発表者以外はマイクをミュートします。
不要なノイズが入らないようにするためです。

発言するときだけ、マイクのミュートを解除して発言します。
終わったらまたミュートにします。
とても快適にチームミーティングができます。

ここまで、テレワークでのコミュニケーションについて主にインフラや環境、コミュニケーション手段についてお話してきました。

では、純粋に「コミュニケーション」はどのように図れば良いでしょうか?
次章では、コミュニケーションそのもののスキルについてお話したいと思います。

3. テレワークでの上司との、部下との、同僚とのコミュニケーション

テレワークでの上司との、部下との、同僚とのコミュニケーションはどのようなものでしょうか?
まず、基本となるコミュニケーションスキルについて知っておいていただきたいことを説明いたします。

3-1. コミュニケーションスキルの5つの要素について

コミュニケーションの前提として、自分がいて相手がいるということが挙げられます。
自分だけではコミュニケーションにはなりませんから必ず相手が存在します。

また、ビジネスにおいてのコミュニケーションは、「思考力」「判断力」を高めて、今どのような状況であるか、何をしたら良いか、というように事実や客観的データに基づき冷静に考え、判断するということが中心となってきます。

そのようなコミュニケーションを図る場合にはお互いに対等な状況を作り出すことも大切なことといえます。
効果的にコミュニケーションをおこなうために知っておくと便利な5つの要素についてお話いたします。

自己概念

自分がどのような人間であるか?
自分は何者か?といった自分のイメージを正しく掴んでいることは、第三者とコミュニケーションを図る際にとても重要です。

なぜなら自己概念である「自分が何者か、どこに属し、何ができ、あるいはできないか、何に価値をおいているか、何を信じているか」といったものが、自らの日常の行動に大きな影響を与えるからです。ここでいう日常の行動とは、モノの見方、聴き方、判断方法、理解の仕方などを指します。

相手にも同じように自己概念がありますから、自分の自己概念をもっていれば相手との違いを見出しながらコミュニケーションに工夫することができるようになります。自分の自己概念を知るには、「私は」で始まる文章を書きだしてみると良いでしょう。

たとえば、「私は勉強は好きじゃないけど人から話を聴くのは好きだ」「私は読書が好きで本が私の命だ」「私は好きなことには時間を忘れて夢中になってしまう」など、出来るだけたくさん、自分を描き出してください。

自己概念があいまいで弱いと他人から見える自分に自信が持てず相手がなんでも正しいと思い込んだり、相手に物事を伝える前からあきらめてしまったり引っ込み思案になって、用心深くなることでコミュニケーションがうまくできないことがあります。

傾聴

皆さんは、コミュニケーションというとまず何を考えるでしょう?
「あ~。彼と二人きりになってしまった。どうしよう。何を話せばいいんだろう。」
「そうだ。明日から新しい上司がやってくる。どう話せばいいんだろう?」

そう、多くの人は、コミュニケーションをとる機会が訪れるとまず、話すことを悩みます。コミュニケーションは、自分と相手がいて初めて成り立つものです。必ずしもあなたが話をしなくても良いのではないでしょうか?相手のことをよく聴くこともコミュニケーションです。

実は、聴くことにはメリットがあります。相手の話を聴くことは、その人がどのような人間であるを知る貴重な機会となります(相手の自己概念が透けて見えるという感じでしょうか)。

ですから、相手の話は「聞く」ではなく「聴く」ことが大事です。「聞く」は相手の話を耳で聞くことですが、「聴く」ためには、相手の話の意味を探り、理解するために身体的にも、感情的にも、知的にも、エネルギーを使って「聴く」のです。

聴くことは、受け身の行為に見えるかもしれませんが、実際には相手が伝えようとしていること、相手の話の背後にあることなどを、話と話の間の沈黙にさえそこに語られているモノを感じ取るといった極めて積極的な能動的行為なのです。

明確な表現

コミュニケーションでまず考えるべきは傾聴の姿勢であると言っても過言ではありません。でも、一方的に聴くだけ聴いて、自分の意見が正確に相手に伝わらない場合、コミュニケーションとして成立しません。それでは、どのようにすればよいのでしょう?それは、相手の話を聴く時の聴き方にあります。
詳しくは機会を設けて傾聴技法についてお話ししたいと思いますが、相手の話を聴くためのスキルがあります。簡単に言えば相手の話を聴くというのは、相手にただ話してもらえば良いというものではありません。相手の話に対する自分の受け応え方法が重要になります。

正しいスキルを身につけて相手の話を良く聴くことで相手にどう話せばよいのかその方法も見えてきます。
自分が相手に何かを伝える際のコツは、自分の言いたいことを「心の中」にはっきりとしたイメージとして描いていることを心がけることです。

それと同時にそれを明確な言葉で表現する工夫が必要です。そして、コミュニケーションを良好に続けるためには相手から帰ってくる反応を捉えて自分の言っていることがどのように伝わっているかをチェックし、フィードバックすることが大事なポイントです。

感情の取り扱い

コミュニケーションにおいて感情をどう取り扱うかというのはとても重要です。
特に怒りの感情をそのままぶつけてしまってはせっかくのコミュニケーションが無に帰して。しまいかねません。

では相手から怒りを誘発されるような発言を受けたらどのようにすれば良いでしょうか?
人は元来自分の気持ちを表現して、他人に聴いてもらったり、受け入れてもらったり、気持ちに応えてもらったりすることを求めているものです。

ですから、いまこの時の自分の気持ちを相手が理解できるように相手に伝えることはとても大切なポイントです。
意味もなく怒鳴り散らしたり、行動に出たりするのではなく、建設的な表現で「今の感情」を相手に伝えるよう工夫しましょう。

そのために次のことを参考にしてください。
1. 「今、ここ」で自分の感情に気づいていること
2. 自分の感情をしっかりと認め、無視したり、否定しないこと
3. 自分の感じていることを正しく理解し、自分の行動に責任をもつこと
4. 自分の感情を探る(胸に手を当てて考えてみる)。そして言い争いに勝つことや反証だけを求めないこと。
5. 自分の感情を隠さず言葉で述べること。その際に口に出して言っていることと、自分の心の中に起こっていることの間に一致があるかどうか冷静に見極めそれが一致することが良好なコミュニケーションの第一歩となります。
6. 自分の感情と意思を一致させ、統合してゆく。それを続けることであなた自身の成長に?がります。

自己開示

コミュニケーションにおいて迷うことがあります。それは、この相手にどこまで自分をさらけ出すことが出来るか?どこまで話そう?ということです。
コミュニケーションにおいてはお互いに信頼がなければうわべだけのモノとなり有益ではありません。でもなかなかそれができないモノです。
なぜなら、人は自由な善意ある雰囲気の中で初めて自己開示ができるモノだからです。
では、どうすれば良いのでしょうか?

お互いに信頼や善意を生み出すためには、誰かの自主的な自己開示の冒険が必要となります。勇気を持ってその一歩を踏み出すことで信頼が信頼を生み、自己開示が自己開示を生み出す歯車が回り始めます。
お互いの自己開示によりお互いの理解が深まり、意味のあるコミュニケーションが生まれてきます。

3-2. 5つの要素を整理

効果的なコミュニケーションに必要な5つの要素についてひらたくまとめると次のようになります。

1. 自分はどのような人間であるかしっかり認識している
2. 相手が何を話そうとしているのかよく聴くことができる
3. 自分が考えていることや何をどうしたいのかはっきりと表現する
4. 感情を効果的に取り扱うことで建設的な方法で表現する
5. 自分に関すること、考え、気持ち、意見や特徴など偽らずに率直に相手に伝える

そして、これらのことを知っていれば、相手が上司であろうと、後輩であろうと、同僚、さらに社外の人であろうとスムーズにコミュニケーションが図れるでしょう。テレワークでもオフィス勤務でも平常心でコミュニケーションすればよいのです。

続いて、マネジメントする方の声として挙がっているテレワークでの懸念点について解説いたします。

「業務評価ができない、難しい」というマネジメントはどうすれば良いのか?

リモートワークになると業務評価、業務管理が困難だという声が出ています。
確かに直接部下の表情や動きを見ることができないので日常の行動から評価をすることは難しいと思います。

しかし、リモートワークではリモートワークならでの業務評価や業務管理をする必要があるでしょう。
とはいえ、「2.テレワークでのコミュニケーションとはどのようなものでしょうか?」の章でオフィスの離れた同僚と仕事をするエピソードでもお話ししましたが、業務管理や業務評価もリモートワークで行うことはできます。

例えば、リモート面談(1-on-1:ワン・オン・ワン)という面談形式があります。
あらかじめ勤務表のデータを共有したり、部下の評価シートの確認、業務相談など30分から1時間のオンライン・ミーティングの要領でおこないます。

Face2Face(フェイス・トゥ・フェイス)のように表情や態度を見ることはできませんが、話し方や受け答えの間など、聴くだけでも多くの情報が含まれているものです。もちろん、通信環境が許せば、ビデオ通話で行うこともできます。

最近は、部下が別の拠点で働いているという多拠点管理が求められるケースも増えていますので、この機会にリモート面談に慣れておくよう、ちょっと大変かもしれませんが、経験値を積んでおくということも将来のマネジメントにつながるのではないでしょうか?

僕の事例で恐縮ですが、マネジャーは大阪オフィス、部下は、大阪、神戸、東京に点在するという多拠点のマネジメントが実際に行われています。
日頃からそのような管理に慣れていると良いのでしょうが、そうでなくても慣れてしまえばリモートワークで部下の管理をすることはそれほど苦にはならないと思いますので、どうぞマネジャーのみなさんは頑張ってみてください。

日頃から電子メールやチャットなどでコミュニケーションを図っておくことをお勧めします。

紙文化・印鑑文化とテレワーク

日本では、原本主義というのか、紙と印鑑を使ったやりとりが多いのが現状です。
たとえば、秘密保持契約や業務委託契約のような契約書や覚書、あるいは、支払請求書を処理するにも請求書原本が、経費精算には領収書原本が必要になるなどです。

秘密保持契約などの制限もあり、固有名称などは使えないのですが僕のテレワークの事例を紹介します。

紙文化・印鑑文化とテレワークは緊急避難柄的措置で対処!

一般社員、いわゆる担当者レベルからすれば、会社の仕事の構造そのものですからこれらの構造を改めることは容易ではありません。
実際に僕のもその課題についてクライアントと一丸になって対応を進めています。

事例:PDFを活用して原本書類は後日送付とすることで交渉を進める

現在のコロナウィルス対策においては、政府や地方自治体からの強い要請によりなるべく出社しないようにとの指導があります。そして、企業では、いかに通常の業務の質を落とさず経済活動ができるか、工夫をからしています。

請求書は原本を送って支払処理を行うのが従来の方法です。
したがって、請求書を受領したら原本つまり紙を経理部門に送らなくてはなりません。
契約書は印鑑が押されて初めて効力が発生します。

このような場合、どのような対応をしたらよいのでしょう?

請求書の取り扱い

請求書を受領 ここが結構ポイントです。
外部業者から請求書をもらう際に原本の郵送と同時にPDFの提供をお願いします。
あるいは、外部業者に電子署名などをしたPDF原本と言う形で一切紙を使用しない対応を依頼します。
PDFソフトウェアには電子署名の機能が付いていますから方針さえ決まれば対応が可能なのかなと思います。

処理のフローですが、こんな感じでいかがでしょうか?
1. PDFで請求書を受領
2. PDFで請求書・支払い承認を得る
3. PDFを支払部門に送信する
4. 支払い手続きが完了する
5. 電子承認など電子化されたもの以外の請求書は記録用に後日発送する

立替清算など領収書の取り扱い

領収書も基本的には原本保管が必要ですが、請求書処理と同様に考えれば次のようになりますね。

1. PDFまたはPHOTO(JPEGなど)で領収書を電子化
2. 清算書(電子)と電子化した請求書をセットで経理部門に送信
3. 立替経費の支払処理
4. 記録用に後日原本を送付

契約書・覚書の取り扱い

契約書については、最近は弁護士が提唱する電子契約書の仕組みも出てきています。

例えば、弁護士ドットコム株式会社(東京都港区、代表取締役社長:内田 陽介)の提供するWeb完結型クラウド契約サービス「クラウドサイン」です。
電子的に対応できればすべてがテレワークで完了できます。
ただ、簡単に導入できない場合には、押印原本をやり取りすることになりますので、100%テレワークとはいきません。

その場合でも、締結された契約書をPDF化して準原本として業務を進めて置き、あとから原本を保管するという方法も取れると思います。
PDFに相手方の電子署名をつけてもらって改ざんのリスクを回避することもできるでしょう。

押印が必要な正式文書などの統一書式の対応

統一書式など稟議を受けるような押印済み文書などでは、押印中止となっているケースでは、押印がない文書で処理を進めて置き、後日押印した原本と差し替えます。その際に、「Note To File」など押印中止の経緯などがわかるような顛末書を同時に提出して対応します。

以上、テレワークでのコミュニケーションにお悩みの皆さんの参考になればという思いで「テレワークで使えるコミュニケーション術」と題してお届けしました。

コロナウィルスの蔓延抑制のためテレワークを活用することが求められていますので、この機会に仕事への取り組み方について改めて思いを寄せ、新しいワークスタイルを身につけてご活躍できますよう願っております。

一刻も早くコロナウィルスの蔓延が抑制されることを切に願っております。

シリーズ『緊急特集!とある管理職が伝えたいテレワーク術』の記事一覧

総合編 緊急特集!テレワークで使えるコミュニケーション術 by とある管理職
第1回 2020年のテレワークと課題
第2回 テレワークでのコミュニケーションとは?
第3回 テレワークで使える上司と部下のコミュニケーション術
第4回 テレワーク導入時のマネージメント手法
第5回 テレワークでの紙文化・印鑑文化への対処法

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